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第五章第五章「序幕」 5-1夢境の地「暗き霧」 5-3夢境の荒野「交換条件」 5-4谷の痕跡「思想開放」 5-5霧の峡谷「忌籠」 第五章「終幕」 第五章 第五章「序幕」 シフォン達は砂漠を彷徨っていたアリン達に会い、オアシスを見つけてあげてアリン達の危機を救ったーー シフォン それにしたって、なんで水が足りてなかったのよ砂漠に入るなら補給の準備をちゃんとするものでしょ? アリン 放せば長くなるが…クレブのせいなんだ クレブ ええっ!マスター!マスターが地図を読み間違えたのがそのそもの原因では? アリン ばかやろう!お前がこのオレに地図を持たせたのがそもそもの原因だろう! クレブ ……そうでしたなマスターにお任せしたクレブの愚行でしたゾ… シフォン 何くだらない言い争いをしてるのよ…で、これからどうするつもりなの? アリン つもり?そんなものはないぞ!何かあったら対応する、男は常に出たとこ勝負だ!なんなら、オレがこれからハーレムを作るつもりだ、といったら信じるか? シフォン エロバカ兄……… アリン じょ、冗談に決まってるだろ!そんなゴミを見るような目でみるなよ… シフォン アンタは…こんな人間の世界で適応する方法を探してこれから生きていくつもりなの? アリン ど、どうした急に…妹よ、ここに来るまでに何かあったのか? シフォン べ、別に!?アタシのことはどうだっていいでしょ! アリン どうした?ハーレムについて気になったのか?何かわからないことがあるなら、この兄様に聞いてごらん? シフォン 気持ち悪い!あっち行け! 5-1夢境の地「暗き霧」 森の心に触れて、アリンとシフォンは夢の世界に迷い込んだ…霧が立ち込める中で落下を続け、その間、シフォンは考え込んでいるーー シフォン これは…眠らせる魔法とは違うみたいね…一体誰の魔法なのかしら…? シフォン もしかして森の心を盗んだ人間…?けどワタシとアリンが同時に森の心に触れるって予測なんてできる?… シフォン パパ達も森の心を探していたらしいし、この神器は一体どんな存在なんだろう? 考えても考えても答えはでないまま落下が終わり、霧でできた地面に尻もちをついた…シフォンは立ち上がって辺りを見回してみるーー シフォン まずはここから脱出しないとね…アリンは無事かな…なんてどうでもいいけどね… シフォンは緊張を誤魔化すためにブツブツと呟きながら進んで行ったーー シフォン お前は誰?ここはどこ?今すぐ答えなさい! 行く手を阻む奇妙な服装の幻術士に向かって、シフォンは怒りながら問いかけるーー バモ 君…強いね全然、歯が立たなかった… シフォン 格の違いを理解したなら、さっさと質問に答えなさい バモ けど、僕はひとりじゃないから 幻術士がそう言い放つと、さらに何者かが霧の中から現れたーー シフォン チッ…ワタシとあんた達の格の違いは、数なんかじゃ補いきれないわよ? 5-3夢境の荒野「交換条件」 幻術士達はシフォンの魔法に苦しめられるが、ギリギリのところで陣形を保ったーー シフォン 何を企んでるのよ?そんな陣形、ぶっ壊すのはワタシには朝飯前よ? 幻術士達には返答する余裕もなく、必死にシフォンの魔法に抵抗を試みているーー シフォン なに?話す余裕もないの? シフォンはあえて魔法の威力を抑えて、ふうっと一息ついたーー シフォン 提案があるわワタシがあんた達のやろうとしている事を受けきったら素直にワタシの質問に答えなさい、どう? 幻術士達はお互い目配せし、リーダーらしき人物が代表して返答するーー ファンカ わかった、提案を受けようもともとこの術は試練を与えるためのもの…受けきれるなら意思の強き者に間違いないそれなら知りたいことは全部教えるよ シフォン オッケー、じゃ早速はじめましょ約束を破ったら…言うまでも無いわよね? シフォンは目を閉じ、幻術士達が発動する術を受ける準備をするーー 術式が発動すると…シフォンの頭の中で自分の声が響くーー シフォン なんでパパとママは…何も言わずに行っちゃったの… シフォン なんでパパとママは…後継者にシフォンではなくアリンを選んだの? シフォン なんで人間の世界はこんなに…こんなに複雑で理解し難いの…パパとママを探すのがこんなに大変なんて… シフォン なんでぜんぶシフォンの思い通りにならないの…こんな世界…いっそ…ぜんぶ滅ぼしちゃえば… シフォン そう…そうよ深く考えたりしないで…世界を無理やり力で思い通りにしちゃえば…こんな世界なんて…… バモ マズい!この娘は…闇に落ちようとしている… ファンカ やはり邪悪な魔物なのか…みんな!命をかけても…ここで必ず止めるぞ! 5-4谷の痕跡「思想開放」 幻術士達は捨て身でシフォンを止めようとしたが、シフォンが両の掌を上に向け、何事もなかったかのように話しはじめるーー シフォン どうだった?あんた達のご期待通りだったかしら? ファンカ え…?君は闇に落ちたのでは? シフォン この程度の精神攻撃がワタシに効くわけないでしょまあ面白いは面白いけど、せいぜいアリンなら騙せる程度のものよね ファンカ ま…まさか…我々四相伏魔陣が… シフォン 完全に無意味でもなかったけどね、結果的にワタシは気付いたわ…他人の目を気にして自分を縛っても仕方ない、自分を正しく見てもらえるように行動すべきってね… シフォン あんた達から聞くのはやめたわ…この夢の主は、どこにいるの? ファンカ !?なぜ夢の主がいることがわかる…? シフォン あんた達の力程度じゃ、ワタシをこの世界に連れてこれないでしょ?だから、もっと高位の存在がここに必ずいるってこと ファンカ 駄目だ!決して夢の主のところへは行かせない! シフォン そう?邪魔されるんなら試してみようかな シフォンが日傘の先端で力いっぱい地面を突くと…霧でできた地面は切り裂かれ、シフォンは下の空間に落下していったーー 5-5霧の峡谷「忌籠」 シフォンが下層に落ちると、そこにはアリンがいた…お互いの無事を確認した後、ふたりで先へ進むーー アリン シフォン、お前が前に言ってた、人間の世界に適応する方法の話だけどさ… シフォン …なに? アリン いろいろ考えたんだけど…特に特別な方法ってない気がするんだ… アリン オレも人間の世界で…辛い時期を過ごしたこともあるけど、ホントの自分を見失わないようにだけはしてた…でなければ、自分が存在する意味がない気がしてね アリン どんなに辛いことがあっても、痛みなら時間とともに消えていく…けど一生付き合っていくのは、結局ホントの自分だけなんだよな シフォン …そんだけ? アリン ん〜、何か聞きたいことがあるのか? シフォン ホントの自分が悪かったらどうするの? アリン 悪者なら人間達と話し合う必要はないんじゃないか?戦って勝てそうなら殴る!糧なさそうなら戦わずに逃げる!それでいいんじゃないか? シフォン 自由でお気楽で…結構なことね アリン いや〜、フリーダムな兄で申し訳ない シフォン ある意味、羨ましいわよ アリン 皮肉で言ってるだろ!バカを見るような目で兄を見るな! 夢の主メニスの姿を目にして、ふたりはかつてないほどのプレッシャーを感じる…しかし、メニスの表情を見て、何かあることにシフォンはすぐに気付いたーー シフォン 彼女…何か様子がおかしいみたいね…何者かが彼女の精神を蝕んでるのか…?けどあんな高位の存在にそんなことできる奴なんている? シフォン 現状を見る限り、ワタシ達を殺したくないようね…完全に支配されてるわけではないのかも…でも一体何のためにワタシ達をここへ…? シフォン もし、パパ達のことと関係があるなら…きっと状況はずっと深刻で…だからパパ達はワタシから去って行ったのかな… シフォン パパ達を助けたい……必ず、黒幕を見つけ出してやる! シフォンは固い決心を胸に、前に出てアリンと共に夢の主メニスと対峙するーー 激戦の最中…シフォンは徐々にメニスの意識が戻ってきていると感じる…メニスの言葉で、その原因が…前に鳳凰の聖女から受け取った光石にあると気付いたーー シフォン パパ達が託した石…やっぱりこの一連の問題と関係があるに違いないこれを解明していけば…きっとパパ達を見つけられる! メニスは燭光石の力で一時的に意識を取り戻す…シフォンはメニスに質問を投げかけたーー シフォン 夢の主メニス!……以前に…ヴァンパイアの夫婦と会ったこと、ある? メニス ……あるよ……ボクが完全におかしくなる前に…彼らはボクを助けてくれようとして… シフォン それで!?どこへ行ったの? メニス どこ…へ…行った…か…だめだ…また…言ったら…見つかって…しまう… シフォン 誰?誰に見つかるの? メニス 邪…邪…あああああっ!! メニスが頭を抱え込み苦しみだすーー アリン どうした!?彼女を助けられないか!? シフォン 無理…この支配力…尋常じゃない…アタシでもどうにもできない… アリン そうか…なら、どうする? シフォン ここは夢の世界…ワタシ達では力を及ぼせない…けど、現実に戻ったうえでメニスに会えるなら… シフォンが話している途中で霧が急速に濃さを増し、夢の主を再び包み込んでしまった…アリンとシフォンの意識も夢の世界から追い出されるーー 第五章「終幕」 現実に帰還した後、シフォンは森の心を調べてみた…極めて微弱ではあるが、そこに何らかの魔法を施した痕跡が見つかるーー シフォン やっぱり森の心が原因で夢の世界に取り込まれたのね…この魔法を施した者は何が目的で……? シフォン 夢の主はパパ達と会ったことがあるって言ってた…燭光石をくれたのも元はパパ達だし… シフォン フフッ、そう考えれば今回のことは、きっと必要なことだったってことよね? シフォンは森の心をしまって、アリンに向かって言うーー シフォン 結局…夢の主の依頼通りに、四相の地の守護者を助けにいくの? アリン そうだな…助けるだけじゃなく、配下にするのだ!そして我が一族は歴史に名を刻むのだ! シフォン 守護者がどんな存在なのかまったく知らないのね夢の主と同等の半神なのよ? アリン なるほど……で? シフォン で?じゃないでしょ!それほど高位の存在に向かって「オレの配下になれ!」とでもそのアホ面で言うわけ? アリン アホ面って言うな!何か問題でも? シフォン 問題は…アンタの頭の中にあるわ…致命的な欠陥ね…… アリン シフォンは?これからどうしたいんだ? シフォン ワタシは…教えない次に会う時まで…無茶しないでよね! アリン 教えないのかよ…ま、シフォンも気を付けてな アリンと別れた後、シフォン達は以前に行った海域へと飛んでいくーー
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メタルギア 【めたるぎあ】 ジャンル ステルスアクション(戦略諜報アクション) 対応機種 MSX2 開発元 コナミ開発3課 発売元 コナミ 発売日 1987年7月13日 定価 5,800円 プレイ人数 1人 配信 【Wii】バーチャルコンソール 2009年12月8日/800Wiiポイント レーティング CERO A(全年齢対象)(*1) 収録 『メタルギアソリッド3 サブシスタンス』『メタルギアソリッド3(20周年廉価版)』『メタルギアソリッド HDエディション 判定 なし メタルギアシリーズ ストーリー 概要 特徴 評価点 問題点 総評 余談 その後の展開 ストーリー 80年代後半に、英雄的かつ狂人とも云われた一人の傭兵によって南アフリカの奥地に生まれた武装要塞国家「アウターヘブン」(OUTER HEAVEN)。 今この「アウターヘブン」で全世界の戦争史上を塗り変えてしまうような恐るべき殺戮兵器が開発されているという。 その最終兵器の情報収集のために派遣された特殊部隊「FOX HOUND」の一人グレイ・フォックスは、 数日後の「メタルギア……」という連絡を最後に消息を絶ってしまう。 フォックスの謎の失踪は最終兵器の噂を裏付けるものなのか? 再びFOX HOUND部隊に任務が下る! 今回の侵入者はFOX HOUNDの新米隊員“ソリッド・スネーク”。 彼の任務はグレイ・フォックスの消息を追い、「メタルギア」の正体を探り破壊すること。 ソリッド・スネークは無線機だけを手に(*2)、単身、初めての戦場へと向かう。 果たして彼は任務を遂行出来るのか!? 無線機からFOX HOUND総司令官ビッグボスの声がする。 「ソリッド・スネーク! これは訓練ではない、実戦だ。幸運を祈る……」 概要 世界中で高い評価を得ているステルスアクションゲーム『メタルギア』シリーズの記念すべき第1作。 プレイヤーは主人公のソリッド・スネークとなって敵基地に潜入し、最終的には敵の最終兵器「メタルギア」を破壊するのが目的。 特徴 基地内を巡回する敵兵士にはそれぞれ「視界」という概念があり、発見されなければ攻撃を受けることはないが、発見されてしまうと画面内の兵士が一斉に攻撃モードとなりスネークを狙ってくる。 攻撃モードは画面内の敵を全滅させるか別の画面に移動することで解除される。 本作では敵の視界は一直線のみなので、少しでも軸をずらせば発見されなくなる。 発見された時に表示されるマークは白い吹き出しの [ ! ] と、黄色い吹き出しの [ !! ] の2種類があり、黄色い吹き出しの方は基本的に画面を移動するだけでは解除されず、レベルに応じた人数の敵兵を倒すかエレベーターに逃げ込む必要がある。 ストーリーにもある通り、基地潜入直後は無線機以外に何も持っていない状態であり、武器・装備などのアイテムは全て基地内で現地調達することになる。 そんな状態で唯一最初から所持しているアイテムが「タバコ」である。使用することも出来ず装備しても何も起こらない、一見すると無駄なアイテムのようだが……? 使用出来る武器は7種類。ただし、サイレンサーの付いていない武器は発射した瞬間に敵に発見された扱いになってしまうため、うかつな発砲は命取りとなる。 ハンドガン…直線に飛ぶため正確に敵を仕留められる反面、連射ができないので多数の敵を相手にするのは不向き。サイレンサー装備可能。 サブマシンガン…連射式なので多数の敵も仕留められるが、弾道が安定しないため正確さには欠ける。サイレンサー装備可能。 プラスチック爆弾…セットすると一定時間後に爆発。その性質上動かない敵を攻撃するために使う。 地雷…地面に設置して、その上を通った敵にダメージを与える。これでしか倒せないボスも存在する。 リモコンミサイル…発射後、自分で操作して目標に当てる事ができる。操作中は動けなくなる。 グレネードランチャー…グレネード弾を発射する。ボスにも通用する威力。 ロケットランチャー…ロケット弾を発射する。最高の威力を誇り、これでしか倒せないボスも存在する。 この他、武器を使わないパンチ攻撃も使用可能。 一般兵士を3発で殺害、1~2発で止めればしばらく気絶状態にできる。リーチは短いが音が出ず、道中での事実上の主力攻撃となる。 パンチで倒すと時々レーションや弾薬を落とすので緊急時の補給にも使える。 無線機は周波数を合わせることによって色々な相手と通信し、攻略のヒントを得ることが出来る。 武器について詳しい者、ボスキャラの弱点を教えてくれる者など、様々な人の助言を受けられる。自力攻略には必要不可欠だ。 プレイヤーに対して外部から通信が入ることもある。ちなみにこれは同じエリアを通る度に何度でもまったく同じ通信が入る。誤って内容を読み飛ばしてしまった場合には有り難いが、あまり何度も聞いていると鬱陶しく感じるかもしれない。 基地内の個室には拘束された捕虜が居ることもあり、一定数の捕虜を助けると階級が上がってライフの上限やアイテム・弾薬を持てる数がアップする。 しかし、逆に誤って捕虜を殺害してしまうと階級が下がってしまう。また、有益な情報を持っている捕虜もいる。 後半のボスキャラなどは特定の武器以外でダメージを与えられないため、誤って捕虜を殺してしまうと弾薬が足りずどう足掻いてもボスを倒せない状態になってしまうことも。 捕虜を殺害してしまった場合は以前に捕虜を救出した場所に再配置されるため、完全な詰み状態になる心配はない。 それどころか捕虜を殺すと全ての捕虜が復活するので、周回してレベルを手っ取り早く上げるという裏技が存在する。 なお、最大階級は比較的早めに達成できるので捕虜を全員助ける必要はない。攻略のフラグにも関わらないので、ストーリー上の重要人物であるペトロヴィッチやヘレンでさえも… 個室やトラックの中に置かれた弾薬などの消費アイテムは部屋を出入りする度に復活する。 評価点 ハード性能という枷を逆手にとったゲーム設計 開発スタッフが当初上層部から言われていたのは『魂斗羅』のような戦争ゲームを作ることだったが、MSXの性能では多くの弾やキャラクターを表示させるのに不向きであったため、逆転の発想として生まれたのがこの「誰にも見つからず戦わないようにして進む」ゲームであった。 派手なシーンは自ずと少なくなってしまったが、少ない色味や淡白な演出さえも、ステルスミッションの緊張感を高めるスパイスに変えている。 さらに薄めのストーリーと演出の中でも「爆弾で壁を爆破」「リモコンミサイルで高圧電流の制御盤を破壊」「敵に変装して検問を通過」「パラシュートで降下」などの展開を惜しげもなく自然に盛り込み、映画的なエンターテイメント性を与えている事も見過ごせない。一部は後のシリーズでも恒例になっているほど。 ステルスゲームの完成形を作り上げた とにもかくにも、「ステルス」というゲームコンセプトにアドベンチャー要素やどんでん返しのあるストーリーを取り入れ、1つの大規模な作品として成立させたのは見事。1作目であることを考慮すると完成度の高さは驚嘆に値するほど。 ステルスゲーム自体はいくつか前例があったが、アクションゲームの一部という粋を出られず、さらに当時は先に挙げた『魂斗羅』や『戦場の狼』といった撃ちまくるゲーム、いわゆる「ランボー・スタイル」が主流であった。対してこの作品は隠れる事が全てであり、そのゲームデザインが設定と密接に関わっている。 数は少ないながら「交代時間で一時的に持ち場を離れる」「居眠りしてしまう」などの特殊な行動を取る敵兵もおり、舞台設定を活かしたリアリティを与えている面もある。 システム面でも、無線によるアドバイスなど演出として昇華できている。 ゲーム進行の助けになるばかりではなく、終盤にはストーリーのどんでん返しと合わせてプレイヤーを陥れる罠としても機能し、ただ目標を達成してクリアするだけのゲームには留まらない意外性を与えている。中でも「ゲーム機の電源を切れ」というメタなトンデモ指示は後のシリーズでもネタとして扱われるほどのインパクトがある。 プレイヤーの工夫を試せるゲーム性 全体的に敵の攻撃力が高く、その上プレイヤーには不可能な斜め方向への射撃なども駆使してくるため、何も考えずにゴリ押ししていてはあっという間に死亡してしまう。そのため、「いかに戦うか」ではなく「いかに戦わないか」というプレイが必須となる。 しかし敵の配置と武器性能を頭に叩き込めば、どんどん敵兵を排除していく暗殺者まがいのプレイができる他、それでいて消費アイテムの使用を大きく抑えることができ、通り一遍のゲームバランスにはなっていない。 敵の視界が一直線のみと聞くと、特に以降のシリーズを知っている人からすれば低難易度に思えるかもしれないが、その分、敵の配置も密集していたり互いの死角を補うように巡回していたりと仕様に沿ったバランスになっており、決して難易度は低くはない。 さらにトリッキーな仕掛けやテキストの少なさから来るヒントの少なさ、即死トラップの数々などから何度もゲームオーバーを経験する事になるだろう。新人隊員の単独潜入任務が如何に厳しいものなのかは確かに体感できる。 良質なBGMとその使い所の巧みさ 基本的にBGMは1曲が延々流れるのみだが、「こっそり忍び込む」という本作にぴったりマッチした曲調であり耳に残りやすい。発見時やボス戦、終盤では緊迫したBGMとなりメリハリが効いている。 このBGM「THEME OF TARA」は、本シリーズを代表する楽曲として、その後もアレンジや収録の機会に恵まれている。 曲名の由来は、開発中に小島秀夫氏がイントロの部分を「タ〜ラッ」と口ずさんでいた事からそのまま名付けられたという(*3)。 問題点 装備アイテムの切り替えが煩雑。特に扉のロックを解除するカードキーは最終的には8枚にもなり、扉を1つ開けるだけでも相当の手間を取らされることになる。 おまけにカードには一切の互換性が無く、装備中のカードと扉のレベルが一致していなければ開けられない。セキュリティレベルは実際にカードを持って扉に接触するまで分からず、ゲーム後半でも当然のようにレベル1や2の扉が存在するため常に総当たり作業を強いられることになる。 そしてアイテムは一度に1つしか装備できないため、毒ガスで満たされた部屋からカードキーで脱出する際にはわざわざガスマスクを外さなければならない。このため微量だが必ずダメージを受ける羽目になる。カードを総当たりで試す際には運が悪いとこれだけでかなりのダメージを貰う羽目に。 個性豊かな武器が揃っているものの、そのほとんどは使用した瞬間に敵に発見されてしまうためもれなく使いにくくなってしまっている。結局、一部のボス戦を除いてサプレッサーハンドガン(+パンチ)で十分ということになってしまいがち。 一応、サブマシンガン(サプレッサー使用可能)以外はどの武器も使用する場面があるので完全に不要というわけではない。潜入が任務である以上派手な武器は適さないのである意味リアルであるとも言える。 ボスキャラにダメージを与えた際に特殊なエフェクトや効果音が一切無いため、使用した武器が効いているのか効いていないのか判断できない。 これが最も響くのが、終盤のメタルギア破壊ミッション。脚部にプラスチック爆弾を仕掛けて爆破するのだが、これを作中で指示された通りの順番で左右の脚に当てないとダメージが通らない。 いざ爆発させても効いているかどうか判別できず、頭の中でしっかり順番を把握するなりメモを取るなりしておかないと、今どの順番なのかも分からなくなる。 しかも、プラスチック爆弾の所持数もメタルギアの耐久度に対して結構ギリギリなので、ちょっと間違えただけで足りなくなる。 ラスボスも特定の武器しか効かないのだが、エフェクトが無いのでその判断にも困る。しかも無線でヒントを求めても「知らない」と返される。 後の復刻版では『メタルギア2』と同様のダメージエフェクト&効果音が追加されている。 アイテムを入手した際に方向キーを押しっぱなしにしていると一瞬でメッセージウィンドウが閉じてしまい、何を入手したのか分からなくなってしまう。 通信の周波数を記録する機能がないので自分でメモをとるなどして覚える必要がある。上述したメタルギアの破壊方法に関しても同様。 しかも中盤で周波数を変更するシーンがあるので、ここでも改めて覚え直す必要がある。 潜入工作任務だと考えれば設定上はメモさえ禁止だが、ゲームでそこまで求めるのはプレイヤーにとって酷であり、それはもう縛りプレイの域だろう。 途中データのセーブ・ロードができるが、対応している媒体がカセットテープのみなので、既にカセットテープを使っていないFD世代のユーザは「セーブする環境が無い!」事態に陥ることになる。 なお「コナミの新10倍カートリッジ」を併用すればFDにどこでもセーブを行うことが可能。 総評 多くの続編作品が製作された現代の目から見るとシステム的・グラフィック的には見劣りするかもしれない。 だが、現行作まで受け継がれている要素も多く、ゲームバランスも意外と良好。 大作シリーズの原点として、興味があるならばプレイして決して損はしない作品と言えるだろう。 余談 MSX版メタルギアの終盤、メタルギア格納庫前の高圧電流トラップはレーションで体力回復しながら強引に突破するという方法が正攻法(*4)だったが、リモコンミサイルで隠されたスイッチを破壊する事で高圧電流をストップできるという隠し要素が近年発見され話題になった。 復刻版ではこの隠し要素は再現されていない。MSX版メタルギアの移植版であるWiiバーチャルコンソール版では可能。 この隠し要素に関して、「スネーク以上にステルスしていた」と称賛される一方、当時のPC雑誌に掲載されていたので既存の情報だという証言も一部で見られる。 この「リモコンミサイルで高圧電流を停止する」という展開は後のシリーズ作品で正式にストーリー上で描かれることになるが、実は初代の段階から存在していたのである。 MSX版では「セーブ・ロード画面を呼び出して戻ると高圧電流が無力化している」というバグ技が存在するため、実は何も頑張らなくても回避が可能。 ボスキャラとして登場するTX-11型サイバロイド「アーノルド」は、元ネタがターミネーターで名前もアーノルド・シュワルツェネッガーから拝借されたと思われる。 しかし、あまりにあからさまだったか、復刻版では名前が「ブラッディ・ブラッド」に変更された。 パッケージイラストのスネークのポーズが、映画「ターミネーター」のカイル・リースと(トレスしたのではないかと思うほど)酷似している。 さらに言えば、『2』本編中のスネークはシルベスター・スタローンに、ビッグ・ボスはショーン・コネリーにそっくりである(*5)。肖像権がおざなりだった時代の名残とも言え、流石に『MGS』以降ではそうした表現は無くなっていったものの、肖像権の絡まない文章面では引き続き映画ネタが盛り込まれるように。 その後の展開 MSX版発売から5ヶ月後の同年12月にFCに移植されたが、問題の多い劣化移植として低評価。詳しくはこちらを参照。 ただし、欧米ではMSXがほとんど流通していない(*6)ためにこれが人気を博し、KONAMIアメリカにおいて独自の続編『Snake s Revenge』が開発されている。 ちなみに、ヨーロッパ圏ではメッセージが翻訳された正規のMSX2版がコナミから発売されているが、メッセージの容量が多くなったせいか無線によるアイテムの説明がばっさりカットされている。 1990年7月にMSX2における続編の『メタルギア2 ソリッドスネーク』が発売された。 小島秀夫氏がPCソフト『スナッチャー』を製作途中の帰りの電車にて、1年後輩のプログラマーから「メタルギアの大ファンなのでぜひ続編を作ってほしい」と言われ感動し、一晩で草案を作成した(*7)。 『2』共々長らくプレイするのが困難な状況であったが2004年に携帯アプリとして復活し、さらにその後『メタルギアソリッド3 サブシスタンス』などに『2』と共に復刻版が収録され、容易にプレイできるようになった。海外でもこれによって原作を知る機会が多くなった。 復刻版では、原作では片仮名と英数字のみだったメッセージが漢字平仮名交じりになった他、ボスにダメージを与えた際のエフェクト追加や通信のショートカットなど細かい問題点が解消され、プレイしやすくなっている。また、「○○の電源を切れ!」のメタ台詞もそれぞれの機種に合わせたものになっている(*8)。 2009年にはWiiのバーチャルコンソールでも配信されている。こちらは復刻版ではなく原作のMSX版であり、別売りのWii用キーボードが無いとセーブができないという難点があるが、VCそのものの機能を利用した中断セーブは可能。 2023年10月24日にSwitch/PS4/PS5/XSX/Winで発売された『メタルギアソリッド マスターコレクション Vol.1』に本作が収録されている(復刻版の再移植)。
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【チップ名】 メタルギア 【読み方】 めたるぎあ 【派生チップ】 メタルギア1/2/3 【アイコン】 【種類】 スタンダード(シークレットチップ) 【属性】 ブレイク系統 【入手方法】 ヒグレヤのフリートーナメント 【PA】 なし 【登場作品】 『4』、『4.5』 【英語名】 MetlGer1/2/3(MetalGear1/2/3) 【詳細】 『4』のフリートーナメントで手に入るチップの一つ。 決勝戦でメタルマンを倒せばゲットできる。 使用すると、正面の相手エリア最前列に歯車を設置する。 穴パネル等で設置できない場合はその奥のマスに設置する。 歯車は遅いスピードで横に往復し、敵に当たると消滅する。ブレイク性能がついているのでガードは貫通する。 ただし、穴、置物があるパネルには移動しない この歯車自体もガード状態なので、ブレイク性能の攻撃でないと破壊できない。 メタルマンが戦闘時に設置している歯車とほぼ同じもの。 違う点は メタルマンは自分で設置した歯車のダメージは受けないが、このチップで出した歯車はちゃんと当たる。 メタルマンは2つ歯車を設置してくるが、このチップでは1つしか設置出来ず、先に出した歯車は消滅する。 メタルマンが設置してくる歯車はポルターガイストで飛ばせないが、メタルギア系で出した歯車は飛ばすことが出来る。 移動スピードが遅い上に、メタルギアがあるパネルに直接移動は基本的にできないので当てにくい。 むしろ障害物として相手の移動を制限する目的で使用するほうが有効。 ブレイク性能でないと破壊できない特徴を利用して、ナンバーボールやジャンクキューブを消すために置いておくという使い方もある。 意外なところではデューオミサイルやデューオユラ潰しに使える。 穴パネルには移動しないのでデューオに接触して消えず、攻撃のチャンスが格段に増える。 某スネークが主人公のゲームではない…のだが、何の因果かそのゲームの監督とのコラボは当の『4』で実現している上、某スネーク本人も『4』で実際に聞ける。 データライブラリNo. 作品 前のチップ ← No. → 次のチップ 『4』 シークレットNo.24 ナンバーボール3 ← シークレット25 メタルギア1 シークレット26 メタルギア2 シークレット27 メタルギア3 → シークレットNo.28 パネルシュート1 『4.5』 No.174 ナンバーボール3 ← 175 メタルギア1 176 メタルギア2 177 メタルギア3 → No.178 パネルシュート1
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第五章 上海 1月末上海に於いて戦闘発生せり。2月20日迄の本事件の経過概要は聯盟の任命せる領事国委員会に依り既に報告せられたり。領事国が2月29日、東京に到着せる時、戦闘は猶進行中にして、上海に於ける日本政府の武力干渉の起因、動機、及結果に関し調査団は同政府当局と数度討議を行いたり。調査団が3月14日、上海に到着せる時は戦闘は終了し居たるも停戦交渉は難関に在りたる次第にて恰も此の時に当り調査団が到着したることは機を得たるものにして良好なる空気を助成せしやも知れず。調査団は最近の敵対行為に基づく緊張せる感情を諒解し且又本紛議に関連する困難及問題の双方につき直接且明確なる印象を得たり。調査団は領事国委員会の事業を引継ぎ又は上海に発生せる最近の出来事に付特に研究すべき旨の訓令を受けたることなく却って調査団は支那政府においては調査団が上海に於ける事態調査の為其の満州に赴くことを延引すべしとの如何なる案にも反対の意向を表示したる旨聯盟事務総長より通報に接し居たり。 調査団は上海事件に関する日支両国政府の意見を聴取し又本問題に関する多数の文献を日支双方より接受せり。尚調査団は戦火を蒙れる地域を視察し日本陸海軍将校より最近の軍事行動に関する陳述を聴取したり。又個人の資格に於いて調査団は上海在住の何人の記憶にも新しき事実に関し各種の意見を代表する人士と会談せり。然れども調査団としては正式に上海事件を調査することなく従って之に関連する争点に関し何等意見を表示せざりき。然れども調査団は記録の為2月20日以降日本軍の最後の撤収に至る迄の軍事行動の叙述を完成すべし。 領事国委員会の最終報告は2月20日、日本側が江湾及呉淞地方に於いて新たなる攻撃を開始したる旨の記述にて筆を止めたり。右攻撃は其の後引続き行われたるに拘らず日本軍にとりて何等顕著なる成功を齎さざりしが日本軍は其の結果、所謂支那警衛師第87師及第88師の一部が今や第19路軍と同様日本軍と戦いつつあるを知るを得たり。此事実及地勢に基づく困難ありし為日本側は2個師団即第11師団及第14師団を増派することを決定せり。 2月28日、日本軍は支那側の撤去せる江湾西部を占領せり。同日、呉淞要塞及揚子江上の諸砲台は再び空中及海上より爆撃せられ爆撃機は虹橋飛行場及滬寧鉄道を含む全戦線に亙り活動せり。日本軍司令官に任命せられたる白川大将は2月29日上海に到着せり。同日以後、日本軍司令部は着々と前進の旨報ぜり。江湾地方にては日本軍は徐々に前進せるが海軍司令部は連日砲撃の結果、閘北に於ける支那軍は退却の兆しある旨報ぜり。同日上海より百哩隔たれる杭州飛行場に対する空中爆撃行われたり。 3月1日、前線の攻撃の進捗遅々たりしを以て日本軍司令官は七了口付近の揚子江右岸に第11師団主力を上陸せしめ支那軍左翼を奇襲せむが為広汎なる包囲運動を開始せり。本軍事行動は成功し支那軍は日本軍司令官の2月20日付最後通牒中に要求せる20km線外に直ちに退却するの已む無きに至れり。3月3日、日本軍が空中及海上よりの爆撃後呉淞要塞に入りたるときは支那軍は既に撤去し居たり。其の前日、滬寧鉄道の崑山停車場の東7kmの地点迄爆撃行われたるが右は支那軍前線への援軍輸送阻止の為めなりと称せられる。 3月3日午後、日本軍司令官は停戦命令を下したり。支那軍司令官は3月4日、同様の命令を発せり。支那側は日本軍第14師団が戦闘行為停止後3月7日より3月14日の間に上陸し約1ヵ月後、在満日本軍救援の為満州に輸送せられたることを強硬に抗議せり。其間友好国及聯盟の斡旋に依り停戦確保に対する試続けられ居たり。2月28日、英国提督サー・ホワード・ケリーは旗艦に日支代表を接受し、相互且同時撤退の基礎とする暫行的協定を提議せられたるが右会議は交渉に基礎に関する意見相違の為に成功を見るに至らざりき。 2月29日、聯盟理事会議長は特に「地方的取極めを為すことを条件とし戦闘の終局的終了及決定的停戦の為他の関係国参加の下に共同会議開催方を勧告せり。両当事国は之を受諾せるも日本代表が(1)支那側が最初に撤退すべく(2)其撤退実行を確かめたる後日本側は撤退すべし但し右は以前も述べられ居たるが如く共同租界及拡張道路への撤収にあらずして、上海より呉淞に及ぶ地域への撤収なりとの条件を出せる為交渉は成功を見ること能わざりき。3月4日、聯盟総会は理事会の提案に言及し(1)日支両国政府に戦闘行為停止を確実ならしめんことを求め(2)関係国に対し前項の実行に関し情報提出方を求め(3)戦闘行為停止を確実ならしめ且日本軍の撤退を定むる取極締結の為め列国援助の下に交渉を開始せむことを勧告すると共に右交渉の進行に付列国より情報を受けんことを希望せり。 3月9日、日本側は英国公使を通じ連盟総会の定めたる基礎に依り商議する用意ある旨述べたる覚書を支那側に送付せり。 3月10日、支那側は同様英国公使を通し右基礎に依り交渉するの用意あるも会議が戦闘行為の決定的停止及日本軍の完全且無条件の撤退に関する事項に限らるることを条件とする旨回答せり。3月13日、日本側は支那側の留保は連盟の諸決議を変更し又は如何なる意味に於いても日本側を拘束するものと認めざる旨を通報せり。日本側は日支双方は聯盟決議の基礎の上に会合すべきものなりと思考せり、 3月24日、日支停戦会議開かれたり。其間日本陸海軍の撤収は現実に開始せられたり。 3月8日、海軍及航空部隊は上海を去り其結果残留日本兵力は「常数を超過すること遠からざるもの」となれり。日本軍司令部は3月27日、更に撤収を行うに際し、右撤収は上述会議又は聯盟とは何等関係なく単に上海に最早必要ならざる部隊を帰還せしめむとする日本陸軍司令部の独自の決定に過ぎざる旨声明せり。 3月30日、停戦会議は前日戦闘行為の決定的停止に関する協定成立せる旨発表せるも更に難問題発生し5月5日に至り漸く完全なる停戦協定を調印し得るの運びを見るに至れり右協定は戦闘行為の決定的停止を定め、正常状態快復したる後更に取極あるまで上海の西方に支那軍の進出を一時制限すべき線を画定し又1月28日の事件以前におけるが如く共同租界及租界外拡張道路上へ日本軍の撤収を定めたり。但し日本軍の数は共同租界内にのみ駐屯せしむるには多きに過ぎたるを以て共同租界外の若干地域は当分の間包含せらるべきものとなりたるが其後日本軍撤収せるを以て此等の地域に付いては記述の要なし。米英仏伊友好国並びに両当事国の参加せる共同委員会を設置し双方の撤退を確むることとし本委員会は亦日本軍より支那警察への引継ぎにも協力することとなれり。 支那側は停戦協定に二個の留保を付加せり。第1の留保は、協定中の如何なる規定も支那領土内における支那軍の行動を永久的に制限することを意味せざる旨の声明にして第2の留保は、日本軍駐屯の為暫時設けられたる地域に於いても警察を含む一切の地方行政は支那官憲の手に存すべきむねの声明なり。 停戦協定の条項は大体主要部分において履行せられたり。撤退地域は5月9日、同月30日の間に支那特別警察に引渡されたり。但し之等四地域の引継ぎは多少延引を見たり。家屋及工場を所有する支那人、鉄道会社の役員及其他の者が撤収地域に復帰し始めたるとき掠奪、故意の破壊及財産喪失に関し多数の苦情が日本軍当局に提起せられたるは蓋し自然のことなり。支那側に於いては賠償に関する全問題は将来商議せらるべきものなりとし死傷及行方不明の将卒及人民の数二万二千四百、物質的損害全額は略々十五億墨弗に達すと推定し居れり。租界外拡張道路地域に関する協定草案は上海工部局及支那大上海市政府代表に依り署名せられたり。然れども本案は未だ上海工部局又は市政府の何れよりも承認を得ず。工部局は領事国の意見を求むる為主席領事に本案を移牒せり。 上海事件は疑いもなく満州に於ける事態に著しき影響を及ぼせり。日本側が容易に満州の大部分を占領し得たること及支那軍より何等抵抗を受けざりしことは単に日本陸海軍をして支那軍の戦闘力が無視し得べき程のものなりと信ずるに至らしめたるのみならず全支那をして大いに意気喪失せしめたり。然るに第19路軍が最初より第87師及88師の援助の下に試みたる強硬なる抵抗は全支那に於いて熱狂的歓呼を受けたるが当初の三千の日本陸戦隊に三個師団及一混成旅団の応援加わり六週間の戦闘の後漸く支那軍敗退駆逐せられたるの事実は支那側士気に多大の印象を与え支那は其自身の努力に依りて救われざるべからずとの感情拡まれり。日支紛争は支那全民の念頭に入り支那各地何れにおいても支那人の意見強硬となり抵抗心増加して従前の消極主義は消去り誇張せる楽観主義行わるるに至れり。満州に於ては上海よりの報道は当時尚日本軍と戦いつつありし各地支那軍に新たなる勇気を与えたり。右報道は馬占山其後の抵抗を強むることとなり又世界各地に在る支那人の愛国心を刺激せり。義勇軍の抵抗も増大あるが為之等支那軍討伐は捗しき成功を収めず、或地方に於いては日本軍は鉄道沿線に陣地を占め守勢を執り居たるが右鉄道もしばしば支那側の攻撃を受けたり。 上海に於ける交戦に伴い数個の事件発生せるが其の一つは南京砲撃なり。本事件は支那以外においても多大の興奮と驚愕とを生ぜしめたるが右は2月1日の深更発生せるも一時間以上は継続せざりき。本件は多分誤解に基づくものならんか、支那政府の南京より洛陽への臨時遷都なる重大なる結果を招来せり。 南京事件の原因及事実に関する日支双方の解釈には非常なる懸隔あり。日本側より調査団に提出せる主張2ありしか。第1は上海の戦闘発生後支那側は獅子山砲台を拡張し塹壕を築き、江畔の城門及江の反対側に砲兵陣地を設け江に軍艦を碇泊せしめ居たる日本側に心配を生ぜしむるに足るが如き規模の軍事施設をなせりと云うに在り。第2は支那新聞は上海支那軍の勝利の虚報を拡め南京支那人を大いに昂奮せしめ其の結果日本側の云う所に依れば日本人雇用の支那人は其の職を去る様強迫せられ支那商人は領事館員及軍艦乗組員外日本在留民に食糧品供給を拒絶するに至れりと云うにあり。 支那側は之等の主張に対し何等批評を加えず。支那側は当時一般の不安及緊張せる空気は日本側が上海事件発生後碇泊軍艦数を二隻より五隻に増加し次いで七隻(日本側当局は右数を六隻なりとし三老齢砲艦及三駆逐艦なりとす)に増加したるに基づくものなる旨又日本海軍司令官は水兵若干を上陸せしめ之を日本領事館員及全日本居留民が「ハルク」に避難せる日清汽船埠頭の前に歩哨として配置せるが上海事件の記憶尚新たなる際斯かる措置は既に南京の昂奮せる人民をして同様事件発生せざるやとの恐怖の念を生ぜしめたるならんと称す。 調査団は南京警察署長が外交部長に提出せる報告に依り南京の支那住民及外国人の保護に全責任を有する南京当局が日本水兵の上陸に対し忿満を抱き居たる旨を知れり。南京当局は日本副領事に対し数度抗議をなせるが同副領事は右上陸に関し何等の処置を執り得ざる旨答えたり当時軍艦碇泊し居り上記埠頭の存する下関の地方警察署に対し出来得るならば同方面に於ける日支接触殊に夜間に於ける如何なる接触をも阻止する様特別の訓令発せられたり。日本側公報に依れば日本人避難民は2月29日以後日清汽船会社の一汽船船内に収容せられ其の多数は上海に送られたる由なり。日本側は2月1日深更三発の砲弾突如発せられたるが右は獅子山砲台よりなされたるものと認めらるる旨述べ居たり。右と同時に支那軍正規兵は河畔にありし日本海軍歩哨に向かい発砲し二名を負傷せしめたるか其の中一名は死亡せり。右攻撃に対し反撃加えられたるが右は歩哨上陸地点直近の箇所にのみ向けられ岸より発砲止むや直ちに停止せられたり。以上は日本側の述べる所なるが支那側は之に対し発砲の事実を否定すると共に日本側より砲台、下関停車場及其他の場所に合計八発の砲弾発せられ且機関銃及小銃射撃行われたる旨並びに右の間サーチライトが岸に向けられたる旨主張す。右は住民に多大の恐怖を生ぜしめ住民は南京市内部に急遽引移れるが死傷者はなく物質的損害も大ならざりき。 南京事件が昂奮せる支那人民が上海支那軍勝利の虚報を祝いて鳴らしたる爆竹に端を発したりと云うことも亦有り得べきことなり。 目次
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METAL GEAR 機種:MSX2, FC メインサウンドエフェクト (MSX2):水谷郁 サブサウンドエフェクト (MSX2):たけのうちしげひろ、古川元亮 サウンドエフェクト (FC):村岡一樹 発売元:コナミ 発売年:1987年 概要 小島秀夫氏による「メタルギア」シリーズ第1作目。 「敵に見つからずに進む」というステルスアクションゲームの先駆けとなった作品。 ファミコン版の移植作があるが、こちらは小島氏が関わっておらず出来はあまり良くない。 続編に『メタルギア2 ソリッドスネーク』と海外限定で『Snake s Revenge』がある。 収録曲 (MSX2版) 曲名 作・編曲者 補足 順位 OPERATION INTRUDE N313 オープニングBGM THEME OF TARA 潜入BGM(地上) -!- RED ALERT 戦闘BGM KONAMI118位1980年代115位 SNEAKING MISSION 潜入BGM(地下) MERCENARY ボスBGM TX-55 METAL GEAR METAL GEAR戦BGM ESCAPE -BEYOND BIG BOSS- ラストバトル ~ 脱出BGM RETURN OF FOX HOUNDER エンドデモ JUST ANOTHER DEAD SOLDIER ゲームオーバーBGM 収録曲 (ファミコン版・仮曲名) 曲名 作・編曲者 補足 順位 PASSWORD パスワード画面BGM OPERATION INTRUDE オープニングBGM JUNGLE THEME 潜入BGM(屋外) -!- ALERT 戦闘BGM SNEAKING MISSION 潜入BGM(屋内) MERCENARY ボスBGMMSX2版と同じ TX-55 METAL GEAR(SUPER COMPUTER) スーパーコンピューター戦BGMMSX2版「TX-55 METAL GEAR」のアレンジ ESCAPE -BEYOND BIG BOSS- ラストバトル ~ 脱出BGMMSX2版と同じ RETURN OF FOX HOUNDER エンドデモMSX2版と同じ JUST ANOTHER DEAD SOLDIER ゲームオーバーBGMMSX2版と同じ サウンドトラック ソリッドスネーク メタルギア2 (KICA7501/キングレコード) Metal Gear/Metal Gear 2 Solid Snake Music Collection
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ボス ~第五章 幻の大魔王~ ボス ~第五章 幻の大魔王~魔王 大魔王 ダーマの神殿チャレンジバトル 魔王 名前 HP(1P) HP(2P) 1P時出現大魔王 備考 スライムジェネラル 2370 3800 - キングミミック 2100 3450 - デーモンキング 2780 4300 - プラチナキング 998 1360 - ゲリュオン 2600 4200 - 後期稼動時のみ ムドー 4300 5400 デスタムーア、真デスタムーア、エスターク、真エスターク ハーゴン 4800 6000 シドー、真シドー、エスターク、真エスターク 大魔王 名前 HP(1P) HP(2P) 2P時対応背景 備考 デスタムーア 5800 7200 ムドーの城 真デスタムーア 6900 8000 ムドーの城 デスタムーアが30体以上倒されている台のみ シドー 5900 7900 ハーゴンの神殿 真シドー 6900 8200 ハーゴンの神殿 シドーが30体以上倒されている台のみ エスターク 5100 6300 溶岩洞窟 後期稼動時のみ 真エスターク 6500 6800 溶岩洞窟 エスタークが15体以上倒されている台のみ ダーマの神殿チャレンジバトル 名前 HP 対応職業 条件 備考 伝説の魔物使い 2777 魔物使い、モンスターマスター 魔物使いのレベルが99 王宮戦士ライアン 2321 戦士、武闘家、バトルマスター 戦士、武闘家のレベルがそれぞれ50以上
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第五章 西暦の終わる日 第四章 終章 A・D4722。メガ・メテオ戦線の結果により、 アルファ=ストレンジャー、魔神王両名共に 肉体が滅ぼされる末路を辿り、 二人の戦闘によって無数の大破片となったメガ・メテオは 一発としての威力こそ大きく衰えたものの、そのスピードを ほぼ緩める事無く、地球へと一直線に向かうのだった。 その中を突っ切る一つの霊体には、誰一人気付かぬままに。 霊体は隕石のスピードよりも早く、地球へ突き進む。 まるでそれが自分の使命であるかのように。 遅れて、メガ・メテオの無数の大破片が 地球の大気圏へと突入。多少の蒸発により、 いくらかの威力減衰が認められたが、それでも 一つ一つが人類有史以来の観測史上、 例の無い威力を誇る隕石となった。 業火が地上を焼き尽くし、煉獄となった地球の国々は、 順を追うように滅びていく。 例えば、イギリスの某都市ではこんな光景が繰り広げられていた。 事態の大きさに絶望し、祈りを捧げる女と、 それを引っ張っていこうとする男。 「主よ、どうか我々に救いを差し伸べ給え――」 「馬鹿! そんな所で祈ったりしてる場合か、早く逃げるんだ!!」 「無駄です。事態は人類がどうにかできる範囲を越えました……」 「俺は認めねぇ! 這いずり回ってでも生き延びてやるぞ!!」 男は絶望した女を容赦無く見捨てる。 せめて自分だけでも生き残るために。 それから十分後、女性のいた地点に隕石が直撃。 跡形も無く周囲一帯は吹き飛んだが、諦めず走り回る男は なんとか、ボロボロになりながらも無事に生き延びる事が出来た。 文字通りの地獄絵図が同様に世界中に広がる。 インドに、中国に、アメリカに、朝鮮半島に、 アフリカに、アルゼンチンに、ブラジルに、カナダに、 ロシアに、トルコに、オーストラリアに、 ヨーロッパ各国に、モンゴルに、フランスに、 イタリアに、日本に、そしてスイスに。 世界中で無事な地域などどこにも無かった。 悪ければ国家は壊滅どころか即時消滅。良くても国家は崩壊だ。 ウィルスさえ絶滅するほどの絶望の嵐が世界を覆い尽くした。 こんな状況で神に祈る事などただの愚行でしかなかった。 足掻いて、もがいて、しつこく、しぶとく生き残ろうとする 執念を越えた妄執だけが人間の生命の原動力足り得る状況だった。 生き残った者が更に生き残った者を助け、 それが更に生き残りを呼ぶ。そうして、 わずか一割余りの人類が生き残る事に成功しつつあった。 その状況では人種も国籍も差別も何も無かった。 皮肉にも、ここには真の意味での平等があった。 助け合うしかない。それが出来ない者は死ぬしかない。 祈っている暇は無い。そんな事をしている者は死ぬしかない。 手を差し伸べる人間に感謝せず、 生き残りを神に感謝する無礼は働いてはならない。 そんな事も理解できない愚か者こそ、例外無く死ぬしかない。 人類全てが加害者であり、被害者となったのだ。 残酷に過ぎる平等がそこにはあった。 そして、なおも隕石群は降り注いだ。ジュネーヴはおろか、 テスラ=ユングとベータ=ストレンジャーの住む マイエンフェルトにも隕石軍は降り注いだ。 あれだけの大隕石に対して、 シェルターの数は絶対的に少なすぎたのだ。 ましてアルプス山脈にシェルターなど無い。 テスラとベータの命脈が、 大隕石群によって絶たれようとしていた。 ユング牧場にまるでピンポイントで 狙ったかのように隕石が迫っていたのだ。 「アルファさん……私ももうすぐそちらへ行くのですね……」 諦めがテスラを支配しようとしていた。 「誰もそんな事を認めた覚えは無いぞ、テスラ!!」 「えっ!?」 だが、伝説はまだ終わらない―― 霊体としか言いようのないものが、空中から降ってきた。 アルファ=ストレンジャーは霊体となってなお、今再び、 地球の大地に二本の足で、しっかりと降り立ったのだ。 「俺の愛するテスラ達を、たかが隕石風情が潰そうなどとは 笑止千万、凡愚の極み! 俺の名前を言ってみろ! 俺は、誰だ!?」 「アルファさん……アルファ=ストレンジャー!!」 「俺の名前を呼んだな、テスラ!」 アルファの霊体にまたしても力が込められる。地球を両断して、 なお余るほどのエネルギーだ。 もはや大隕石程度では勝負にならない。 「防護壁、展開!!」 テスラとベータどころか、牧場全体を 防護壁という名の結界が包む。 ごがッ!! 不自然な軌道で砕け散りながら、 牧場を大きく隕石の破片が逸れていく。 もはやこれほど砕けてしまっては、牧場どころか、 アルプスの山には傷一つ付かないだろう。 牧場とテスラ達は救われたのだ。 「本当に、戻って来てくれたんですね……」 テスラから涙が零れる。もはや後は言葉にならない。 「いや、俺は死んだ。俺は所詮霊体に過ぎん。 だが約束したはずだ。死んでも戻ってくるとな」 あまりにおかしい言い様に、テスラが泣きながら苦笑する。 「本当に死んでも戻ってきちゃうんですね……」 「ユニークだろう?」 「はい、すごく」 「なんかさっきからずっと頭の中に、あの世とやらから 呼び出しがかかってるんだが、全部無視を決め込む事にする。 テスラ。俺は君が死ぬまで、ずっと霊体のまま ユング牧場に居座らせてもらうつもりだが、どうだ?」 「勿論です! ずっと一緒ですよ、アルファさん!」 「この焼けただれた世界において、俺と君の一粒種、ベータは きっと世界の希望となるだろう。俺は確信している」 「はい!」 「健やかに育てよ、ベータ。 お前だけが、人類の希望なのだ。そしてお前が成長してきたら、 俺が持ちうる全ての技をお前に伝授してやろう。 それぐらいしか、俺が地球に対して出来る返礼は無いのだからな」 「アルファさん……」 そして、ベータは笑った。 それが残された希望の全てであるかのように。 こうして西暦最終戦争は正式に終結し、 翌年、年号は西暦(A・D)から宇宙暦(C・C)へと改められ、 人類は宇宙時代へのファースト・ステップを踏み出すに至った。 だが、人類が踏み出した道は同時に茨の道でもあった。 生きる事そのものが戦いである、と誰かが言ったように、 人類の戦いは生きている限り、終わる事は無いのだから―― <終章 へと続く>
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第一章 第二章 第三章 第四章 第五章 虚神王の砦・前庭|虚神王の砦|蓮塔|巨大聖堂|イドクリスタルダミーダミーダミーダミーダミーダミーダミーダミーダミーダミーダミーダミーダミーダミーダミーダミーダミーダミーダミーダミー クリア後 巨大聖堂 塔頂ドームの内側は、静謐な雰囲気が 漂う大聖堂であった。 ヨーコの創り上げた結界のイメージ とは、神に祈りを捧げるための神聖 なる座であったのだろう。 徘徊する魔物の気配はなかった。 ただひとつ、強大な妖気が聖堂内部に わだかまっている。 大聖堂の中央に、巨大なクリスタルが 祀られていた。だが、硬質な光を放つ その表面には亀裂が疾り、水晶の内側 は血の色を思わせる赤に染まっている。 D・S: あそこだ――あのクリスタルの中に、 ヨーコさんと……虚神の王とやらが いやがる―― D・S: いくぜ! オメーら、覚悟はいいな! D・Sが手を触れると、水晶は目映い 輝きを放った。そして一行は、深い 亀裂の中へと吸い込まれていった。 D・S: ここまできたら後戻りはできねえぜ。 ヨーコさん、待ってろよ! 上へ
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「料理はしないのか?」 アイネアス固形食料をほおばりながら言った。 「食べ屑が飛んでるよ」 菊田も固形食料をかじっている。菊田はアイネアスを指差していった。 「……じゃあ、君はしてるの?自炊」 「……してない」 菊田はにたっと笑った。一口固形食料をかじると言った。 「僕はしてる」 アイネアスはそっぽを向いた。 「どうしたの?」 「べつに、お前が気にするようなことでもない」 「……キクダ、一つ聞きたいことがある。お前は……」 菊田は笑って答えた。手の中の固形食料はもう無くなっていた。 「何故、リズからおわれているか、聞きたいんだろう?でなければ色んな国の軍が動くわけがない。そういいたいんだろ?」 菊田はコップの中にもう冷めたコーヒーを入れると、それを飲んだ。 「簡単なことさ。リズの大事な物を奪えば、そうなる。しかも、超極秘のね」 アイアネスはゆっくり立ち上がると、息を乱しながら菊田の近くに寄ると、肩の上に手を置いた。 「どうした?えーっと……」 「アイネアス……だっ……」 アイネアスは床の上に崩れ落ちた。さらに息を荒くしながら、床の上にうずくまる。金色の髪は床の上に散らばった。 「う、っく、クソ……少し歩いただけで……」 「オイ、大丈夫か?アイネアス。全身を強打してる。両足にはひびが入ってるし、右手は手首からぽっきり。左手に至っては、肩の骨にひびが。腰には青あざができてるし、胸の肋骨は折れてる。絶対安静だよ」 「はっは、早く……言えよ……べ、ベッド……あぐう」 身体を引きずりながら進もうとするが、動くわけもなく、菊田がすぐにアイネアスの近くに寄った。 「大丈夫か?すこし、動くぞ」 菊田が身構えると、アイネアスは菊田が何をしようとしているのか察したらしく、精一杯抵抗するが、あっけなく持ち上げられた。 「ちょ、ちょっと!は、はなせ!はなして!」 菊田があっけにとられたような顔をした。 「……何?」 「ちゃんと女の子みたいな声だすんだなあ」 「……この……ッ」 言いかけた途端、アイネアスはベットの上におとされた。 「飯の準備してくるから、ここで待ってろ。な?」 菊田は部屋の中から消え、少しして香ばしいにおいがしてきた。 「……なんだろう……このにおい……」 アイネアスは天井のシミを数えながら鼻歌を歌っていた。 「なに?その歌」 アイネアスはまたそっぽを向いて眼を合わせようとしない。 「お粥作ってきたぜ」 「お粥?オコメのか?」 アイネアスは菊田の方を向いた。 「いいや、麦の方だ。リズ人だろ?だったらこっちの方が良いかな。って思ってさ」 「……ありがとう。気を遣ってもらって」 「気は使うもんだよ」 菊田はスプーンを動かしながら言った。アイネアスはゆっくり手を動かすが、眉間には皺が寄って、手は震えている。 「……大丈夫か?」 黙々と手を動かしていた菊田がいった。 「……何がだ?」 菊田はスプーンを持った方の腕を動かしながらもう片方の手でアイネアスの動く事すらままならない手を指差した。 「鎮痛剤が、もう切れてるんだな。腕を動かすと、痛くならないか?」 「……鎮痛剤は?」 「痛いんだな?」 アイネアスの手は自然にゆるみ、スプーンが床に落ちた。 「っつ」 「キクダ、聞いて良いか?」 菊田のスプーンを動かす手は止まり、彼は優しく答えた 「なんだ?アイネアス」 「……お前は……なぜ、そうも人に優しくできる?私は、お前を殺すかもしれない人間だ。そんな人間を、何故助けるんだ?キクダ。……情けをかけているつもりなのか?」 菊田は大きく息を吸った。 「そうだ。せめてもの罪滅ぼしだ。正直言おう。僕は、スルトにのまれている。徐々に。そんな俺が、無意識のうちに殺して死まった、人たちへの……罪滅ぼしだ。お前以外は……みんな……」 「そうか。ありがとう」 「……悲しくないのか?」 「私は……軍人だぞ」 アイネアスはうつむいた。 「泣かないのか?それとも……」 「……泣けないのか?」 アイネアスはベットに取り付けられたテーブルを杖代わりにしてデットの上に立ち上がった。 「私が泣くものか!アイネアス・メイヤー!私は、私は……」 「……泣くことを……知らないのかも、しれない……」 菊田は、立ち上がって、アイネアスのスプーンに付いたほこりを、服の裾で取ると、アイネアスに差し出した。 「……泣こうとして、泣く奴なんて、いない。涙は、自然に溢れてくるのさ」 「う、う、う……うわあぁああ」 アイネアスは、ベットの上に膝をついた。
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空き